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【業界研究】倉庫作業員ってどんな仕事?転職前に知っておくべきこと

倉庫作業の求人を見ても、具体的なイメージがわかない…

そんなふうに感じていませんか? 紙面だけを見て実際の職場のイメージはなかなかわかないものです。求人に応募して、直接見学してから決めればいいのかもしれませんが、まだどんな仕事かもわからない求人に応募するのは気が引けますよね。

この記事では、そんな方の為に、私が物流の現場で得た経験と実績を通じて、倉庫作業の実態を皆さんに分かりやすくお伝えします。

この記事を読むことで、倉庫作業の職種内容からメリット・デメリット、将来性まで、明確なイメージをすることができます。さらに、倉庫業界へ転職することがあなたのキャリアにどう影響するか、そしてその転職を実現させるための実践的なアドバイスも提供します。最終的には、転職を成功に導くためのポイントもまとめてご紹介するので、最後までご一読ください。

この記事の内容

  • 倉庫作業とは
  • 倉庫作業向きな人物像とは?
  • 倉庫作業のメリットとデメリット
  • 倉庫作業での給与と手当
  • 倉庫作業の求人情報と条件
  • 業界の最新トレンドと技術の進化
  • 倉庫作業でのキャリアアップ方法

倉庫作業とは

倉庫作業の仕事内容と役割は?

倉庫作業とは、物流倉庫で商品の出荷準備や管理を行う仕事です。具体的には商品のピッキング、梱包、入出荷の管理、在庫管理など、商品の流通に欠かせない役割を担います。

倉庫作業員の役割は、ただ単に商品を運ぶことだけではありません。正確な商品のピッキングから、適切な梱包、さらには配送手段の選定まで、商品が最終的に顧客の元へ届くまでの一連の流れを管理します。また、在庫の状況を把握し、必要に応じて商品の発注を行うことで、在庫過多や不足が発生しないようにすることも、倉庫作業員の重要な任務です。

ピッキング作業

ピッキング作業は、倉庫内に保管している在庫から、注文が入った商品を集めてくる作業です。作業の方法は取り扱っている商品の大きさや、環境によりますが、基本的には注文伝票などに記載されている品番や商品名を覚えて、保管している倉庫内のロケーションまで行って集荷する作業になります。

大きな商品を取り扱っている倉庫では、フォークリフトを使ってピッキング作業作業を行う場合もあります。一方で小型の商品を小口で少量ずつ集めてくるような仕事の場合は、ピッキングカート(作業カート)を使って作業を行います。また、人が運搬できるサイズで、重量がある商品を取り扱う倉庫では、運搬用のコンベアを使ってピッキングを行う場合もあります。

つまり、ピッキング作業は倉庫によって体力的な大変さがかなり異なる仕事です。求人を見る際には、どのような商品を、どのような環境で行っているのか事前に確認しておいたほうがよいでしょう。

梱包作業

梱包作業は、集荷した商品一つ一つを販売する状態へと梱包したり、輸送中の商品ダメージを防止する為に実施します。

梱包状態が悪いと、中身の商品に傷が入ったりするなど、サービスへの影響が多い作業になります。また、中身の誤収容なども起こりやすい作業であり、丁寧な作業が求められます。

あきのすけ
あきのすけ

梱包は、体力というよりは手元の細かさや丁寧さが要求される作業ですね。1日通して行うなら集中力も必要です。

保管・棚入れ作業

保管・棚入れ作業は、倉庫に入荷された商品の在庫を、決まったロケーションまで運搬したり、保管している棚などに入れていく作業のことです。これらの作業についても、ピッキング作業と同様に、商品の大きさや準備されている環境に応じて作業の身体的負担が大きく変わります。

また、在庫が倉庫に搬入されてから保管を行うまでの間に、検品を行う会社も多いです。棚に入れる前に商品の損傷やタグの外れが無いかなど、品質確認が必要となる場合があります。このあたりも求人を探す場合は先方へ確認しておいたほうがよいでしょう。

棚入れ作業は、指定された棚番と商品の入れる場所を間違えるといったミスが想定されます。これらは多発すると後工程のピッキング作業での誤出荷に繋がり、最終的にはお客様から配送ミスとしてクレームとなる可能性があります。

つまり、正確性を求められる作業ということで、人によっては精神的負担がかかる場合があります。ただ、企業によってはシステムを利用した棚入れミス防止策を実行している場合もあります。(商品タグとロケーションタグを紐付けて管理されており、バーコードリーダーなどで読み取ることで、システム照合を行う事ができる など)

あきのすけ
あきのすけ

面接や職場見学の段階でしかわからない内容ですが、どのようなシステムや機械を使って仕事が行われているのかは事前に聞いておいたほうがよいでしょう。

入出荷・在庫管理

入出荷・在庫管理作業は、主に在庫管理システム上の在庫過不足を確認し、在庫の補充数を決めて発注を行うなどのデスクワークです。

これらについても企業によりますが、ピッキング作業者が兼任していたり、専属で事務員として配置されている場合など様々です。在庫の管理量や規模も、利用しているシステムや取り扱う商品により異なる為です。

あきのすけ
あきのすけ

例えば、大口商品で少ない点数の取り扱いしかない倉庫などは、在庫管理が簡単な為ピッキング作業者が兼任する。一方で商品点数が何万点と膨大な場合は、在庫管理作業に特化した数名が管理を行う といったイメージです。

倉庫作業向きな人物像とは?

倉庫作業に適した人物像とは、体力と集中力を兼ね備え、細かい作業も正確にこなせる方です。また、単純作業の繰り返しにも動じず続けれる方が向いているといえるでしょう。

あきのすけ
あきのすけ

ここは任せられた工程によっても特にどの特性が必要になるかは変わってきますので、応募する求人の作業内容と照らし合わせてみましょう。

コミュニケーションスキルは比較的求められることは少ないでしょう。チームで働くこともありますが、基本的には決まった作業の繰り返しになりますので、複数名で仕事を行う場合でも、コミュニケーションを取りながら行う仕事は少ないです。黙々と作業を進めたい方には特に向いている仕事でしょう。

倉庫作業の魅力とは?

倉庫作業の魅力は、何よりも「物流の要」として社会の流通を支えるやりがいを感じられる点です。また、体を動かすことが好きな方にとっては、デスクワークにはない活動的な環境が魅力となります。さらに、勤務体系がシフト制であることが多く、自身のライフスタイルに合わせて働きやすいことも、倉庫作業の大きな利点の一つです。

倉庫作業のメリットとデメリット

倉庫作業のメリットとは?

倉庫作業の最大のメリットの一つは、専門的なスキルや経験がなくても始められることです。多くの企業が研修を提供しており、未経験者でも基本から学べます。また、フィジカルな仕事が中心であるため、体を動かしながら働ける点もメリットとして挙げられます。

さらに、物流業界はECサイトの増加や、各種配送サービスの増加により需要が高まっています。荷物の保管や入出庫を行う倉庫内の仕事にも需要があります。特に、小口で商品点数を大量に抱えている倉庫でタイムリーに配送を行う為には、効率的な倉庫作業とその人材がかかせません。

倉庫作業のデメリットとは?

一方で、倉庫作業には物理的な負担が大きいというデメリットもあります。重い物を持ったり、同じ動作の繰り返しによる体への負担が考えられます。

繁忙期は残業が増える傾向にあり、プライベートの時間が制限される可能性があります。これらの点を事前に理解し、自分に合った職場を選ぶことが重要です。また、倉庫はそもそも勤務シフトが多岐になる場合が多いです(注文が来てからタイムリーに商品を届ける為に、稼働時間を長くしておく必要があるからです)。職場によっては夜勤などもあり得ます。

あきのすけ
あきのすけ

考え方によっては夜勤専属の求人に応募して働けば、時給が高くなるという捉え方もできますね。

倉庫作業での給与と手当

倉庫作業の平均年収とは?

倉庫作業員の年収は、地域や企業、経験年数によって大きく異なりますが、一般的には初心者でも安定した収入を得ることができます。平均的な年収は、200万円から400万円程度とされており、時間外労働や深夜勤務などが加わることで、これが上乗せされるケースも少なくありません。

参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

倉庫作業での手当とは?

多くの倉庫作業には、基本給の他に様々な手当が付随します。時間外手当、深夜手当、休日労働手当など、労働条件に応じた手当が充実している場合が多いです。また、正社員として長く勤めることで、昇給や賞与、福利厚生といった待遇の向上も期待できます。

倉庫作業の給与を充実させる方法

給与をさらに充実させるためには、所定の業務をこなすだけでなく、資格取得やスキルアップに励むことが大切です。フォークリフトの免許や危険物取扱者の資格など、作業効率を上げたり、特定の業務を担えるようになることで、給与アップに繋がる可能性があります。

また、倉庫は、倉庫業として収益を得ている企業以外にも、製造業など商品を運ぶ必要がある企業は、自社で倉庫を抱えている場合などもあります。そのようなケースでは、本部から数名が倉庫に配属されて管理を行うことも少なくありません。つまり、安全管理者などの管理者系の資格を持っていると、重宝される場合があります。将来的に倉庫業務でキャリアアップまで視野に入れている方は、資格取得を検討してみてもよいでしょう。

倉庫作業の求人情報と条件

倉庫作業の求人情報とは?

倉庫作業の求人は、物流業界の成長と共に数多く見られます。求人情報には、仕事内容の説明のほか、求める人材のスキルセット、勤務時間、給与の詳細などが記載されています。最近では、ECサイトの拡大に伴い、短期間の仕事から長期安定したポジションまで、様々な形態の求人が増えてきています。

倉庫作業の募集条件とは?

倉庫作業の求人では、具体的な募集条件が設けられていることが一般的です。例えば、未経験者可、経験者優遇、物流関係の資格保持者歓迎など、職場によって様々です。また、体力を要する仕事であるため、健康状態を問われることもあります。

倉庫作業で必要な資格とは?

特別な資格が必要ないケースも多い倉庫作業ですが、資格を持っていると採用に有利であり、キャリアアップにもつながります。フォークリフト運転技能士や物流管理士などの資格は、作業の効率化や安全性を高めるために役立ち、給与アップにも繋がりやすいです。

業界の最新トレンドと技術の進化

物流業界は、技術革新の波に乗り、目覚ましい進化を遂げています。倉庫内作業の効率化を図るために、ロボティクスや自動化技術が導入され始めており、人手を補う役割を果たしています。これにより、作業員はより戦略的な業務に集中できるようになり、職場環境の改善にも繋がっています。

また、倉庫管理システム(WMS)の進化によって、在庫の正確な追跡と管理が容易になり、出荷ミスの減少に寄与しています。IoT技術を利用したスマート倉庫では、商品の所在がリアルタイムで把握でき、必要な商品を迅速にピックアップすることが可能です。

さらに、データ分析ツールの発展により、在庫の最適化や需要予測が精度高く行えるようになり、過剰在庫や品切れのリスクを最小限に抑えることができます。これらの技術革新は、作業員に新たなスキルの習得を求める一方で、働きやすい環境と倉庫作業の品質向上を実現しています。

あきのすけ
あきのすけ

参考までに、近年多数の企業で導入されているサービスについて解説した記事もありますので、こちらもぜひ読んでみてください。

関連記事

倉庫作業でのキャリアアップ方法

物流業界におけるキャリアアップは多岐にわたります。倉庫作業員から始めて、スキルと経験を積むことで管理職への昇進や、他の専門職への転職が可能です。重要なのは、目標を持ち、積極的に学び続けることです。

倉庫作業から他の職種への転職方法

倉庫作業員として培った経験は、物流業界内外の多くの職種で評価されます。例えば、商品管理、物流企画、営業、顧客サービスなどへの道が開けています。これらの職種への転職を考える場合、関連する資格取得や、職場での異動を通じて経験を広げることが有効です。

倉庫作業員から管理職への昇進方法

管理職への昇進には、リーダーシップと組織を管理する能力が求められます。作業効率の改善提案や、チームメンバーの指導育成に貢献することで、上層部にあなたの管理能力をアピールするチャンスが増えます。また、コミュニケーションスキルを磨き、チームワークを高めることも、昇進の鍵となります。

また、近年では前述した自動化の他にも、  DXや高度な在庫管理システムなどを活用することで、サービスの質を高めたり、在庫を抑えてコストダウンを図るなどの取り組みも注目されています。IT関連の知識や経験がある方は、今後管理職を目指した時には非常に相性のよいスキルセットと言えます。

倉庫というのは、在庫の保管と出し入れというシンプルな業務構造であることから、あまりシステム面の開発投資が行われずアナログなオペレーションが継続されているケースも少なくありません。

IT関連の知識は、ちょっとした経験であっても、実はかなり役に立つという場合が多いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

物流業界、特に倉庫作業は、今日の社会において不可欠な役割を果たしています。成長著しいこの業界への転職は、チャンスも多いと思います。今回の記事が、新たな仕事を選ぶ参考となれば幸いです。

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