「倉庫のスペースが足りない、在庫がどこに置いたかわからなってよく探している。。」
「商品のピッキングに時間がかかりすぎる。。」
こんな問題で悩んでいませんか?
このような悩みを持つ管理者は非常に多く、倉庫の効率化にロケーション管理は非常に重要です。
私は過去10年間、物流業界で様々な倉庫の改善に取り組んできました。この記事を読むことで、ロケーション管理の基本から、具体的な方法、そして効果的なツールの選び方まで、明確に理解できるようになります。そして、あなたの倉庫も今よりもっと効率的で、スペースを最大限に活用できるようになるでしょう。
それではさっそく見ていきましょう!
ロケーション管理とは
ロケーション管理とは、倉庫内の各商品が配置されている場所を特定し、管理するプロセスです。
この管理を効果的に行うことで、商品の迅速な検索、取り出し、補充が可能となり、倉庫全体の作業効率が向上します。
ロケーション管理は、正確な在庫情報と連動して、在庫の可視性を高める重要な役割を果たします。その結果、出荷ミスの削減、在庫の過不足の防止にも繋がり、全体的な供給チェーンの最適化を実現します。
ロケーション管理の必要性
ロケーション管理が倉庫運営においてなぜ重要かというと、主に以下の三つの理由が挙げられます。
1. 入出荷作業の効率が上がる
適切なロケーション管理を行うことで、商品の正確な位置情報が常に把握でき、必要な商品を素早く見つけ出し、入出荷の作業時間を大幅に短縮することができます。
これにより、労働コストの削減と作業効率の向上が実現します。
2. 省スペース化が出来る
ロケーション管理を最適化することで、倉庫内の空間を効率的に使用できます。
具体的には、頻繁にアクセスする商品を容易にアクセス可能な場所に配置し、それほど使用頻度が高くない商品は適切な場所に保管することで、スペースを有効活用し、更なる商品の収容が可能になります。
3. 先入れ先出しができ、在庫の陳腐化を防げる
ロケーション管理システムを利用することで、先入れ先出し(FIFO)や後入れ先出し(LIFO)などの在庫管理手法を効率的に実施できます。
これにより、在庫の回転率が改善され、在庫の質が維持されるため、廃棄や損失が減少します。
ロケーション管理の種類
ロケーション管理にはいくつかの方法が存在し、それぞれの倉庫のニーズや特性に応じて選択することが重要です。主なロケーション管理の方法を以下に紹介します。
1. 固定ロケーション
各商品が常に同じ場所に配置される方式です。この方法は、場所を覚えやすく、特定の商品のピッキングが簡単になるため、作業者のトレーニング時間が短縮されます。しかし、空間の柔軟性が低くなり、一部の場所が過剰に使用されることがないよう注意が必要です。
2. フリーロケーション
商品を任意の空いているスペースに配置できる方式です。この方法は、空間の効率的な利用を可能にし、商品のサイズや形状に応じて最適な位置に配置することができます。フレキシビリティが高い反面、管理システムがしっかりしていないと商品を見失うリスクがあります。
3. ダブルトランザクション
商品の入庫と出庫を同時に行うことで、効率を最大化する方式です。これにより、ロケーションの変更や再配置の手間が減少し、作業の速度が向上します。ただ、この方法は、ストックエリアとピッキングエリアで2箇所に保管場所を分離する方法である為、ピッキングエリアの在庫が切れないように、ストックエリアから在庫を補充する作業が必要になります。
この方法は必ず、補充作業を行ってでも、入出荷作業を分離するメリットが大きい時にだけ実施しましょう。結果的に補充作業に時間がかかるようでは意味がありません。
ケース別おすすめ管理方法
倉庫の種類や取り扱う商品によって、最適なロケーション管理方法が異なります。ここでは、具体的なケース別におすすめの管理方法を紹介します。
ケース1:大量品ばかり取り扱っている
大量に同一商品を扱う場合は、固定ロケーション方式が効果的です。大量の同一商品を特定の場所に集中して保管することで、ピッキングの速度と精度を高めることができます。
ケース2:小口品が多くて多品種である
小口で多品種の商品を扱う場合は、フリーロケーション方式を採用すると良いでしょう。空いているスペースに最適な商品を配置することで、スペースの柔軟性と利用効率を最大化します。
ケース3:品種も多くて、大量品も小口品も多数取り扱っている
品種が多く、大量品と小口品が混在する場合は、ダブルトランザクション方式が推奨されます。これにより、効率的な入出庫作業とスペースの最適利用が可能になります。
また、前述した3つの方法とは異なりますが、このようなケースでは、商品により固定ロケーションとフリーロケーションを使い分けるという方法もあります。(ダブルトランザクションと似ていますが少し違います)例えば、商品A~Cの3つは大量品で、商品D~Gの4つは少量品だった場合、A~Cには固定ロケーションを付けて、D~Gにはフリーロケーションでまとめて保管する という方法です。
3つの方法の各デメリットを緩和している方法といえます。状況に応じて検討してみましょう。
ロケーション管理ツールの紹介
効果的なロケーション管理を実現するためには、適切なツールの使用が不可欠です。ここでは、特に有効なロケーション管理ツールを3つ紹介します。
1. エクセルを使ったロケーション管理
小規模な倉庫や初期段階の企業であれば、エクセルを用いた管理が手軽で経済的です。エクセルでは、ロケーションごとの在庫リストを作成し、更新することが可能です。ただし、エラーのリスクやデータの一元管理の難しさは留意が必要です。
2. WMS上にロケーション情報も管理する
倉庫管理システム(WMS)を使用することで、ロケーション管理が大幅に簡易化されます。WMSは、商品の正確な位置情報をリアルタイムで追跡し、在庫管理との統合が可能です。これにより、作業効率が向上し、エラー率が低下します。
3. ロケーション管理ソフトを活用する
専用のロケーション管理ソフトウェアは、倉庫の規模が大きくなるにつれてその価値を発揮します。これらのソフトウェアは、複雑な在庫データやロケーションの変更を効率的に管理し、最適な商品の配置を提案する機能を備えています。
まとめ
倉庫のロケーション管理は、作業効率を高めるだけでなく、在庫精度を向上させ、最終的に顧客満足度を高めることに直結します。
固定ロケーション、フリーロケーション、ダブルトランザクションなど、さまざまな管理方法がありますので、自社のニーズに最適な方法を選択することが重要です。
また、エクセル、WMS、専用ソフトウェアなど、効果的なツールを活用することで、これらのプロセスをさらに強化することができます。今回紹介した内容を参考に、あなたの倉庫のロケーション管理を見直し、より効率的な運営を目指してください。